所在地 左京区 |
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選定番号 第6-032号 |
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推薦理由(抜粋) 昭和32年に建築された木造2階建の住宅建築。大和棟風の屋根がかかる特徴的な外観を持つ。村野森事務所の設計とされ,大和棟風の屋根は建築家の森がワンハーフと呼び,また村野も好んだ意匠である。和室,洋室を備え,2階客間には創作的なつくりの床の間が残る。 認定番号
第135号 認定理由 施主は環境衛生工学を専門とした京都大学名誉教授・岩井重久博士である。メキシコに出張中に建築家・森忠一(村野・森建築事務所)と交友を持ち,帰国後,鹿ケ谷の地に自宅を建築するに際して,設計を依頼したと伝わる。施工は森とつながりのあった安井杢工務店が担当した。 岩井家は木造2階建,桟瓦葺の建物である。建築確認資料が残り,昭和32年(1957)に建築されたことが分かる。旧勾配に葺下ろした屋根に2階室の窓を開け,緩勾配の下屋を設けている。村野が度々用いた大和棟風の意匠を連想させる外観である。森は同形式を「ワン・ハーフ」と称したという。東側に玄関を設け,南向きの居間や和室,北側の台所兼食堂に廊下がつながる。居間は天井を合板張り,壁をクロス張りとする洋室で,南側に配された開放的な芝生の庭に開かれている。2階客間は6畳の和室に一段天井を下げた1畳空間と台目床(とこ)を有する。床柱にはアカマツの皮付を用いる。棹縁(さおぶち)天井の棹は見付(幅)を狭くしてシャープに見せるなど,随所に村野藤吾の影響を感じさせる意匠が見られる。 既知の名作を除けば今後の調査が待たれる戦後の住宅建築において,岩井家は良質な昭和30年代の住宅建築の事例として重要である。 |
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