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梶田家(かじたけ)[Kajitake]

所在地
 上京区
 
選定番号
 第11-025号
  


推薦理由(抜粋)
 明治45年(1912)頃に建てられた表屋造の町家。正面に出格子を設け,揚げ見世を残し,2階は黒漆喰仕上げで虫籠窓を穿つ。表蔵と雑物蔵も残る洗練されたつくりの京町家。



認定番号
 第181号

認定理由
 梶田家は奈良で生薬商を営んでいた近江屋市右衛門に始まるとされ,4代目・梶田豊次郎が夫人の実家を継いで織屋を現在地に開業し,昭和50年代まで営んだ。建物は,間口約6間の敷地に,表屋と表蔵を配置する。奥には雑物蔵が設けられている。表蔵は御幣より大工・太田市兵衛により明治45年(1912)に上棟したことがわかり,主屋,雑物蔵も同時期の建築と考えられる。主屋は,黒漆喰仕上げで,1階を出格子,2階をむしこ窓とする伝統的な外観である。表屋造形式で,居住棟部分では中央に中廊下・階段部を配し,2列に居室を設ける。上手列には,表側より茶室,ブツマ,オクノマを,下手列にはイマ,ダイドコ,ショクバを配する。ショクバとは職場を意味し,出機の形態をとっていた同家では糸のより分け等の作業を行った室と伝わる。2階は,廊下の表と裏側に3室の和室が設けられる。座敷に当たる1階オクノマは,柱にトガ材を用いる栂普請し,床柱にはトガの四方柾を使用する。茶室はアカマツ皮付きの床柱とし,廊下境に下地窓を設けて茶室としての使用を想定した造りである。
 梶田家は,伝統的な外観を有して表屋造形式を踏襲する一方,表蔵を設け,平面においても中廊下的空間,階段位置など動線に配慮した近代住宅思潮を取り入れるなど,京町家の近代化の過渡期の形態を示す。西陣の織物業の作業空間や茶の湯の空間を包含する質の高い町家としても高く評価される。


 
 国登録有形文化財,景観重要建造物,
 歴史的風致形成建造物


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