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石﨑家(いしざきけ)[Ishizakike]

所在地
 上京区
 
選定番号
 第8-034号
  


推薦理由(抜粋)
 大正14年(1925),藤井厚二が設計した木造2階建ての住宅。保存状態が良く,藤井の住宅に対する設計思想を見ることができる。藤井厚二が設計した住宅で現存する数少ないもののひとつ


認定番号
 第159号

認定理由
 石﨑家は,電気技師であった石﨑庚作の居宅として建築された。石﨑庚作は京都帝国大学の青柳栄司教授のもとで電気工学を学んだ後,神戸市電気局等に勤務した。京大で青柳教授の同僚であった藤井厚二に設計を依頼したとされる。御幣が残り,大工・菜原忠太郎の施工により大正14年(1925)に上棟したことが確認される。
 建物は木造2階建で,切妻の破風と真壁造による外観は藤井作品にしばしば見らるが,基礎部分を煉瓦でつくるのは珍しい。玄関を入ると板壁の仕切りを設け,応接室に向かう接客用動線と奥への内向きの動線を分ける工夫がなされている。玄関の奥には階段を設けたホール,左手に応接室が配される。応接室の奥には居間があり,周囲に空間が配される居間を中心とする平面となっている。藤井が居間を中心とする平面を模索した初期の様子が伺える。
 石﨑家は,建築家・藤井厚二の現存する初期の住宅作品として希少である。旧市街地に建てられた大正期の新中間層の住宅が,建築家によって模索された事例としても興味深く,重要な建物である。



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